- やる気の出し方がわからない・・・
- モチベーションの高め方がわからない・・・
- 勉強するときは、どんな心構えでやればいいの?
やる気・勉強効率を高めるのにオススメの方法があります。
それは「プライミング効果」と呼ばれる「自己暗示」を活用することです。
自己暗示と聞くと胡散臭さを感じる人もいるかもしれませんが、科学的に効果の高さが実証されています。
この記事では「プライミング効果」についての概要や活用法を解説しています。
記事を読むメリット
- 「プライミング効果」についての知識が深まる
- 勉強に集中できるようになる
- 勉強効率があがる
プライミング効果は、勉強だけでなく多様な場面で活用されています。
プライミング効果をうまく活用することで、集中力・記憶力・モチベーションを向上させることができます。
記事を読み進めてプライミング効果の概要・効果・使用方法を知り、学習に活用してみてください。
イメージの力は思っているよりも偉大です。
スポーツ選手もイメージトレーニングを大切にしています。
プライミング効果とは
潜在意識を操ること
プライミング効果とは脳科学辞典では下記のように説明されています。
先行する刺激(プライマー)の処理が後の刺激(ターゲット)の処理を促進または抑制する効果
むずかしいようですが簡単に言い換えると「なんらかの行動によって潜在意識を操ること」です。
先に起こす行動をプライマーと呼び、影響を受ける現象のことをターゲットといいます。
プライミング効果を使うと、本来であれば起こりえない現象がなんらかの行動を先にすることによって起こりやすくなります。
具体例
プライミング効果の身近な例が「10回クイズ」です。
10回クイズとは、相手にピザと10回言わせたあとにヒジを指さしながら「ここは?」と尋ねるようなクイズゲームのことです。
先に「ピザ」という言葉を10回言わせることによって、潜在意識に「ピザ」という言葉を植え付けます。
本来であればヒジを指さして尋ねれば「ヒジ」と答えますが、「ピザ」が潜在意識にあると「ヒザ」と無意識に答える人があらわれてきます。
ピザと10回言う行動(プライマー)によって、ヒザという言葉が誘発される現象(ターゲット)が起こっています。
プライミング効果の種類
直接プライミング効果
街中を歩いているときにカレーの香りが漂ってきたら「美味しそうだなぁ」とカレーが食べたくなってきませんか?
先に行った「カレーの香りを嗅ぐ」という行動によって「カレーが食べたくなる」という現象が起こっています。
このように先に行った行動が直接的にあとの行動につながっている現象を「直接プライミング効果」といいます。
関接プライミング効果
ポスト、サンタ、消防車と連続して聞かされたあとに果物を連想するとリンゴが1番最初にでてきやすくなります。
赤いものを3つ連続して聞かされたことによって、赤いものを連想しやすくなる現象が起こります。
このように先に起こった行動が間接的にあとの行動につながっている現象を「間接プライミング効果」といいます。
プライミング効果を用いた実験結果
対象者 | ニューヨーク大学の学生 |
実験内容 | 5つの単語から4つを選んで組み合わせて文章をいくつか作らせる。 その際にあるグループには「もの忘れ」「孤独」など高齢者を連想させるワードを含ませておく。 その後、別の実験があると別室に移動してもらう。 |
結果 | 高齢者を連想したグループは移動スピードが遅くなった。 |
学生は「高齢者を連想する」という先行刺激によって、「移動スピードが遅くなる」という現象が起こっています。
何かをイメージするだけで、潜在的に行動にも変化が起こるという実験例です。
大学教授を連想することで、問題への認識度が普段より高くなりテスト成績がよくなったという実験例もあります。
プライミング効果活用例
集中力を高める
集中力を高めるのに適したプライミング効果を紹介します。
過去に勉強していて集中できた時間・場所・状況を記録していくというものです。
「朝6時に起きて勉強したら集中できた」
「自習室で勉強したら集中できた」
「ラムネを食べたら集中できた」
記録することは簡単に直感的でかまいません。
記録することで特定の時間・場所・状況によって自分は集中できると、プライミング効果が発動し集中力が高まるようになります。
記憶力を高める
記憶力を高めるのに適したプライミング効果を紹介します。
むずかしい内容を覚えるときは、「容易に覚えられる関連がある言葉といっしょに覚える」という方法です。
例をだすと「メソポタミア文明」という言葉を覚えるとします。
メソポタミア文明と関連ある言葉の中から「イラク」という言葉をいっしょに覚えます。
(メソポタミアは現在のイラクの一部)
2つをいっしょに覚える際にはイラクとメソポタミア文明の関連性もある程度意識しながら覚えるようにします。
こうすることで「イラク」という言葉を思い出すと、「メソポタミア文明」という言葉もいっしょ思い出すようにプライミング効果が発動します。
これがウソのように効果があります。
効果があるのは言葉だけでなく、画像や音でも同様の効果があります。
思い出の音楽を聴くと、昔を思い出して頭の中に昔の映像がうかんだ経験はありませんか?
覚えたいものに、思い出すトリガーを加えることで記憶力は向上します。
繰り返し覚えないと長期的な効果は望めませんが、テスト前などには非常に効果的な記憶術です。
モチベーションを高める
モチベーションを高めるプライミング効果を紹介します。
普段から「○○になりたい」「○○ができるようになりたい」とポジティブな言葉を口癖にすることです。
「そんなことで?」と思う人もいるかもしれませんが効果は絶大です。
ポジティブな言葉は、あなたの脳に前向きな思考を形成します。
逆に「どうせダメだ・・・」「○○できるわけがない・・・」とネガティブな言葉を口癖にすると脳に後ろ向きな思考が形成されます。
お笑い芸人のティモンディ高岸さんも「やればできる!」という言葉をよく口にしますが、この言葉も前向きな思考を形成するために生まれたものだと番組でおっしゃっていました。
口癖にしたい言葉は目に見えるところに貼っておくのも効果的です。
「目指せ!○○大学!」
「学年1位!」
など部屋に貼っている人がいますが、あれもプライミング効果を利用しています。
前向きな言葉を脳に刷り込むことで、前向きな思考が形成されます。
よく目にするだろうスマホの待ち受け画面に前向きな言葉を設定するのも1つの方法です。
まとめ
- プライミング効果とは先に起こす行動(プライマー)によって、あとの現象(ターゲット)に影響を及ぼすこと
- 勉強では自己暗示として活用する
- プライミング効果によって「集中力」・「記憶力」・「モチベーション」を高める効果が期待できる
注意点としてプライミング効果を利用するときは、効果を疑わないようにしてください。
プライミング効果を感じないという人の多くは、最初から効果を信じていない人です。
効果がないという思い込むこと(プライマー)によって、効果を感じない現象(ターゲット)が起こっていますので、そういう人はある意味すでにプライミング効果を感じているといえるかもしれません。
プライミング効果をしっかり活用できれば、勉強効率は間違いなくアップします。
日常のさまざまなところでプライミング効果は利用されていますので、「これも考えてみたらプライミング効果かもしれないな?」と疑問を持つようにしてみてください。
プライミング効果に関して、より深く考察することができるようになるはずです。
プライミング効果の知識を深めることで、学習環境だけでなく面接や試験本番にも活かせるようになることでしょう。